それでも飯舘村はそこにある
村出身記者が見つめた故郷の5年
著者:大渡美咲(産経新聞記者)
| 定価 |
本体1300円+税 |
| 判型 |
四六判 |
| ページ数 |
240P |
| ISBN |
978-4-8191-1277-2 |
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発売日→2016年2月26日
私の故郷は 今も「無人」のままです
内容
終わりの見えない全村避難。
理不尽に翻弄される人々のそれぞれの選択
- ふるさとを取材するとは思わなかった――はじめに
- 第1章 「無人」になったふるさと
- 第2章 同級生たちを訪ねて
- 第3章 放射性物質と向き合う
- 第4章 鍵をかけられたふるさと
- 第5章 村人たちの静かな闘い
- 第6章 村はまたよみがえる
なぜ人は前を向くのだろう
- 「放射性物質よりも、体力や技術、知識が衰え、農業ができなくなることのほうが怖かった」
(避難先で農業を再開した花農家)
- 「被害者であっても、被害者意識だけではもう解決しない」(飯舘村長)
- 「人生の最後は飯舘だと思っている。故郷っていうのは理屈じゃない」(避難先でコーヒー店を再開した店主)
- 「みなが村に戻れるようになったとき、桜が役立ってほしい」(村に桜2千本を植えた農家)
- 「いつまでかかるか、何戸から始められるかは分からないが、また一から飯舘村を作っていく」(農家の15代目)
なぜ人は故郷を想うのだろう
《取材を続けると、書かねばならないことが増えていった。伝えなければならないことの連続だった。それは、私のよく知っている村の話だからだろうか。縁のない土地だったら、そこまで思えただろうか。自問しても答えは出ない。ただ、福島の現実をもっと知ってもらいたい。飯舘村の人々の思いを知ってほしい。その気持ちに変わりはない。
記者である前に、飯館村をふるさとに持つ者の一人として。》(「はじめに」より)