
産経新聞社 著
| 定価 | 2,310円(本体2,100円+税) |
|---|---|
| 判型 | A5判並製 |
| ページ数 | 384P |
| ISBN | 978-4-8191-1464-6 |
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発売日→2025年10月22日
年表/各種データ報道写真300枚
産経新聞好評連載 遂に書籍化
昭和へタイムトラベル
もしあの時代に12歳の子供として自分が生きていたら
本書は、昭和元年からの100年間を架空の少年少女たちの「12歳の目線」で描くという、かつてない歴史物語です。もちろん、その年の歴史的ニュースはすべて事実であり、当時の市井の人々の日記や文集、新聞記事、新聞投稿などを参考にしながら、時代考証や世相、時代の雰囲気なども徹底して取材し、「リアルな昭和」を再現しました。 大きな戦争を経験した「昭和」という時代を振り返るとき、ともすれば自虐的な視点になりかねません。ただ、どんな時代にも光と影があります。本書は「もしあの時代に子供として自分が生きていたら」という目線で昭和を描いた初の書かもしれません。 さらにこの物語は性質上、登場人物たちはその後の未来を知りません。私たちはいつも歴史を後から振り返って考えがちです。時には現在の視点から過去を断罪してしまうこともあります。しかし、その時代を現実として生きていた人々から見れば、それぞれの選択は最善だと考えていたのではないでしょうか。
昭和元年を生きた子供は7人に1人が戦死
例えば、わずか1週間しかなかった「昭和元年の12歳」はいずれも大正生まれです。ただ、その時点ではわからないものの、この世代はやがて訪れる先の大戦を最前線で戦い、同世代の7人に1人にあたる200万人以上が戦死することになります。これは、全戦死者230万人の9割近くにあたる数です。昭和という時代は、わずか15年の間に生まれた「大正世代」の尊い命の上に成り立っていたのです。 ならば、生き残った当時の12歳たちは昭和の何年ごろまで社会の中心で活躍していたのか。その子供たちは何年ごろに生まれ、どんな世界や世相の中で12歳を過ごしたのか、さらにその子供は、孫は……と考えていくと、「昭和100年」という時間軸は意外と身近なものに感じられるのではないでしょうか。
私たちの先祖は何のために戦ったのか
本書は時系列に整理されていますが、いくつかの物語は次の世代に続きがあり、それぞれの主人公の子供や孫、ひ孫たちが「12歳」になった時の視点からも描かれています。例えば、戦前の登場人物たちを父や母に持つ子供たちの姿は戦後の昭和20年代に描かれ、さらにその次の昭和後期や平成などの世代へとつながっていき、家族としての物語が現代まで続いていきます。 私たちの命と歴史が綿々とつながっており、この100年が確実に地続きであることを強調したかったからです。歴史という大きな縦軸に、「家族」という横軸が加わり、最終話の「昭和100年」では、「私たちの先祖は何のために戦ったのか」という保守思想につながるお話を描いています。
昭和元年 年末に大正が終わった 正月は雑煮を食ってもいいのか
昭和15年 紀元二千六百年の受験事情 エリート軍人を目指す僕
昭和22年 「真相はかうだ」の真相はどこだ 墨塗教科書で学ぶ僕ら
昭和28年 戦死した父、「君の名は」 母は真知子巻きがよく似合う
昭和34年 「テレビがある平和」 残り時間5分で長嶋さんはドラマ生んだ
昭和37年 通勤地獄に負けない父 植木等さんみたいになればいいのに
昭和40年 「地上の楽園」北朝鮮に帰った親友と「シェー」でお別れ
昭和44年 「 全共闘の学生はなぜ勉強しないの?」私の義兄は機動隊
昭和46年 「 戦争を知らない子供たち」に聞いてほしい歌は他にある
昭和52年 「人の命は地球より重い」と言ったほうがカッコいいとは思うが
昭和55年 漫才ブーム「ひいじいさんは戦前、赤信号を渡ったのか」
昭和57年 私の中学は校内暴力で大荒れ「ネアカ」でなんていられない
昭和60年 ここに来れば祖父に会える 靖国神社「公式参拝」って何?
昭和64年 昭和最後の日、祖父たちは、笑って戦争の話をしていた
昭和70年 原爆や空襲の話はよく聞くが戦った人の話は聞かない
昭和100年 歴史とは「家族の物語」 100 年後の日本は「日本」のままですか